自動販売機の設置条件とは|法律面での設置条件やメーカー別の条件も紹介

自動販売機 設置条件
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「自動販売機の設置に関する法律や規制について理解しておきたい」

「自動販売機の設置に適したスペースや条件を把握したい」

「メーカーごとの設置要件やガイドラインに違いがあるのか知りたい」

このようにお考えの方も多いのではないでしょうか。

自動販売機を設置するには、法律や規制を遵守し、適切な条件を満たすことが必須です。

また、設置場所の選定やスペースの確保も重要な要素となります。

本記事では、上記の内容を詳しく解説していくのとともに、以下のポイントについて詳しく解説します。

  • メーカー別の設置条件とその違い
  • 自動販売機の設置条件を満たさない場所の例

この記事を読むことで、「自動販売機の設置に必要な法律や規則」「自動販売機設置に必要なスペースや設置条件」など、正確な知識を持ったうえで、自動販売機の設置を検討できます。

ぜひ最後までご覧ください。

目次

自動販売機の設置に必要な条件とは?|法律・規制の観点から解説

自動販売機の設置に必要な条件とは?|法律・規制の観点から解説
画像はイメージです。

自動販売機を設置する際には、以下のようにさまざまな法律や規制に従う必要があります。

  • 【前提事項】自動販売機据付基準に従う必要がある|転倒防止対策
  • 道路交通法
  • 地方自治体の条例
  • 食品衛生法
  • 食品の自動販売機に係る施設基準ガイドライン
  • 防犯対策

【前提事項】自動販売機据付基準に従う必要がある|転倒防止対策

自動販売機の設置において、一番守らなければいけない基本的な条件が自動販売機据付基準です。

屋外・屋内ともに、地震や強風などによる転倒を防止するための据付基準(JIS規格)が制定されており、これに従う必要があります。

自動販売機据付基準の例は、以下のとおりです。

  • アンカーを使用して地面や壁にしっかりと固定する
  • 水平器を使って安定性を高める

この据付基準により震度6弱程度までの地震では、自動販売機が倒れる心配はないと考えられます。

据付基準を守ることは、法的な義務であり、設置後の転倒や破損などのトラブルを未然に防ぐために必要不可欠です。

参考:自動販売機−据付基準

道路交通法

自動販売機を道路沿いに設置する際には、道路交通法に基づく条件を厳守する必要があります。

特に、以下のポイントが重要です。

  • 歩行者や車両の通行を妨げない位置に設置する
  • 交差点や信号機の近く、もしくは視界を遮る場所には設置を避ける

自動販売機が歩行者や車両の通行を妨げない位置に設置することが大切です。

また、交通事故のリスクが高まるため、交差点や信号機の近くや視界を遮る場所には、設置を避けましょう。

私有地であれば問題ありませんが、自動販売機が道路に少しでもはみ出すと道路交通法の対象です。

道路交通法を理解し、安全で法に則った設置を心がけましょう。

参考:道路交通法|e-Gov法令検索

地方自治体の条例

自動販売機の設置について条例が定められている地方自治体もあります。

地方自治体の条例では、設置場所や設置方法に関する独自の規制が設けられていることがあるため、事前に確認して、順守しましょう。

例えば、東京都文京区では、自動販売機設置基準として、以下の条件が定められています。

  • 安全に関する基準
  • 環境保全に関する基準
  • 災害時対応に関する基準を満たしていること
  • 景観に配慮していること
  • 付加機能(AED、ユニバーサルデザイン対応など)を備えること

参考:文京区

上記のように、地方自治体で独自の条例や条件が定められている場合には、条件に合った自動販売機の設置が必要です。

地方自治体の公式サイトに設置条件や条例がない場合は、担当者に電話で問い合わせましょう

さらに、設置場所によっては、地方自治体からの設置許可が必要になることもあります。

食品衛生法

食品を取り扱う自動販売機の設置には、食品衛生法が適用されます。

「食品衛生法」とは、飲食による健康被害の発生を防止するための法律です。

具体的には、以下のようなことを守りましょう。

  • 自動販売機内の温度管理が適切に行われている
  • 賞味期限・消費期限管理が厳格に行われている
  • HACCPに沿った衛生管理が行われているなど

食中毒対策のため、自動販売機内の温度管理が適切に行われ、清掃が定期的に実施されていることが重要です。

また、食品衛生法賞味期限・消費期限の管理やHACCPに沿った衛生管理が行われている自動販売機を選びましょう。

食品を扱う自動販売機を設置する際には、消費者が安全に食品を購入できるよう、必ず食品衛生法を遵守し、適切な衛生管理を行うことが求められます。

参考:厚生労働省

スマート自販機「スマリテ」は、HACCPに完全対応した国内初の無人化ソリューションです。
≫詳しくは、スマリテ

食品の自動販売機に係る施設基準ガイドライン

飲食店営業、喫茶店営業、乳類販売業及び氷雪製造業においては、厚生労働省によって、「食品の自動販売機に係る施設基準ガイドライン」が定められています。

食品の自動販売機に係る施設基準ガイドライン
  • 設置場所は清潔であって衛生管理が十分行き届く場所であること。
  • 設置場所は屋内であること。ただし、ひさし、屋根等で雨水を防止できる場合にあっては、この限りでない。
  • 設置場所は使用目的に応じて適当な広さを有していること。
  • 設置場所の床面はコンクリート、その他の不浸透性、かつ、堅ろうな材質を用い、清掃が容易な構造であること。
  • 設置場所には適当な廃棄物容器を設けること。
  • 設置場所には十分な照明設備及び有効な換気設備を設けること。
  • 設置場所には飲用適の水を十分供給できる設備を設けること。(乳類販売業を除く。)
  • 設置場所には適当な排水設備を設けること。(乳類販売業を除く。)

ガイドラインでは、衛生管理や清掃が可能であることや廃棄物・排水など食品の自動販売機設置環境についての項目が記載されています。

食品の自動販売機を設置するときは、ガイドラインをチェックリストとして、確認しながら設置環境を整えましょう

参考:厚生労働省

防犯対策

自動販売機には、多くの現金や商品が保管されているため、犯罪のターゲットとなることがあります。

直接的な法律や規制はありませんが、犯罪にあわないよう、以下のような防犯対策を行うことが望ましいです。

  • 人通りの少ない場所や視認性が低い場所には設置しない
  • 防犯カメラを付ける
  • 金庫鍵のメンテナンスを怠らない

犯罪者から狙われやすい人通りの少ない場所や夜間の視認性が低い場所には、できるかぎり設置しないことをおすすめします。

また、自動販売機に防犯カメラを付けることによって、犯罪の抑止力を高めることができます

自動販売機には、現金を保管する金庫が搭載されていることが多く、金庫の鍵が故障すると、盗難リスクが増加します。

そのため、定期的に鍵の状態を確認し、必要に応じて交換することが大切です。

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お酒自動販売機の設置には別の条件(法律)が適用される

お酒自動販売機の設置には別の条件(法律)が適用される
画像はイメージです。

お酒の自動販売機を設置する際には、通常の自動販売機とは異なる法律や規制が適用されます。

  • 原則として「一般酒類小売業免許」の下でのみ販売が認められる(酒屋の敷地内など)
  • 例外措置として、免許がなくても販売可能な場所もある
  • ホテルの宿泊者階などお酒の販売が認められている特定の環境以外にお酒の自動販売機を設置する場合は、購入者の年齢確認が可能な「改良型機」でなければならない

原則として、お酒の販売を行うには、「一般酒類小売業免許」が必要であり、この免許を取得していないとお酒を販売できません

ですが、例外措置として、宿泊施設に設置されたお酒の自販機などは、サービスの一環とみなされるため、免許がなくても販売可能です。

また、敷地内やホテルのフロアなどの閉鎖的な環境以外にお酒の自動販売機を設置する場合は、購入者の年齢確認が可能な「改良型機」を導入することも義務付けられています。

改良型自動販売機

「改良型自動販売機」では、未成年者が誤ってお酒を購入しないよう、マイナンバーカード・運転免許証で年齢確認を行います。

未成年へのお酒の販売を防ぐために、必ず遵守しましょう。

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自動販売機の設置に必要なスペースの条件はある?

自動販売機の設置に必要なスペースの条件はある?

飲料等を扱う一般的な自動販売機の設置に必要なスペースの条件は以下のとおりです。

  • 1m四方、高さ2m程度のスペースが必要
  • 自動販売機の扉を開けるためのスペースを確保する
  • 電源を確保できる
  • 通路や周囲の人の邪魔にならない場所
  • 約400kg~450kgの重さに耐えられる地面がある

飲料の自動販売機のサイズは、横幅100cm×奥行き70cm×高さ180cmほどが一般的とされています。

自動販売機の設置を検討する際は、余裕をもって、1m四方・高さ2mのスペースを確保しましょう。

また、商品補充やメンテナンス作業がスムーズにできるよう、自動販売機の扉を開けるためのスペース確保が必要です。

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自動販売機メーカーの設置条件には何がある?|メーカー別に紹介

自動販売機メーカーの設置条件には何がある?|メーカー別に紹介
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自動販売機メーカーごとに設置条件が違うことがあります。

ここでの設置条件とは、スペースや電源環境などの「メーカーが定める設置に必要な基準」のことを指します。

本記事では、以下の3つのメーカーの設置条件を紹介します。

  • キリンホールディングス株式会社
  • イドーグループホールディングス株式会社
  • 日本コカ・コーラ株式会社

キリンホールディングス株式会社

キリンホールディングス株式会社

キリンホールディングス株式会社では、環境にやさしい自動販売機やユニバーサル自動販売機などバリエーション豊かな自動販売機を展開しています。

キリンホールディングス株式会社の自動販売機設置条件は、以下のとおりです。

  • 新聞一面程度の平らなスペースがあること
  • 設置スペースから3m以内に100Vの電源があること
  • 自動販売機据付基準を満たせること

設置スペースの最小要件としては、新聞一面程度の平らなスペースがあることです。

キリンホールディングス株式会社の自動販売機は、自動販売機据付基準に則って設置するため、基準を満たせるか事前に担当者に確認しておくことが必要です。

その他、カスタマイズ自動販売機や付加機能の設置条件については、営業担当者にお問い合わせください。

ダイドーグループホールディングス株式会社

ダイドーグループホールディングス株式会社

ダイドーグループホールディングス株式会社は、飲料の豊富なラインナップと高性能な冷蔵機能を備えた自動販売機を提供しています。

ダイドーグループホールディングス株式会社の自動販売機設置では、「自動販売機コンサルタントサービス」があるため、設置可否を営業担当者が判断してくれます。

その際に営業担当者から以下を質問されるため、回答を用意しておきましょう。

  • 自動販売機を設置する予定場所の周辺状況
  • 自動販売機の設置目的
  • 設置可能スペース
  • 使用可能な電気容量(100Vや200V)

設置可能スペースを伝えることで、設置場所に合ったサイズの自動販売機を選定してくれます。

日本コカ・コーラ株式会社

日本コカ・コーラ株式会社

日本コカ・コーラ株式会社の自動販売機設置では、 前項同様、設置可否を営業担当者が判断してくれます。

営業担当者が設置可否を判断するためには、以下の情報が必要です。

  • 自動販売機を設置する予定場所の周辺状況
  • 自動販売機の設置目的
  • どのような自動販売機を設置したいか(環境に配慮したもの、ユニバーサル自動販売機など)
  • 設置可能スペース
  • 使用可能な電気容量(100Vや200V)

上記を営業担当者に伝えることで、貴社に最適な自動販売機を選定してくれます。

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自動販売機の設置条件を満たさない(適さない)場所の例

自動販売機の設置条件を満たさない(適さない)場所の例
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設置条件を満たさない場所はイメージがつきにくいため、以下に例を挙げます。

  • 奥まったスペース
  • 突き当たりや行き止まりの道
  • 車道と歩道の境にガードレールがある場所
  • 近辺にスーパーやコンビニがある場所

奥まったスペース

奥まったスペースに自動販売機を設置すると、人目につきにくいことから視認性が低くなるため、犯罪にあうリスクが高まります

また、扉が開閉しにくく、商品補充やメンテナンスも困難です。

自動販売機の設置場所は、できるだけ視認性が高く、人通りが多い開けた場所を選びましょう。

突き当たりや行き止まりの道

突き当たりや行き止まりの道に設置された自動販売機も人通りが少ないことから、視認性が低くなるため、防犯上のリスクが大きいです。

何より、突き当たりや行き止まりの道は利用者が少ない・アクセスしにくいため、売上が見込めないデメリットもあります。

自動販売機を設置するときは、利用者の数や利便性を考慮し、大通りでアクセスしやすい場所を選ぶことが重要です。

車道と歩道の境にガードレールがある場所

車道と歩道の境にガードレールがある場所への自動販売機の設置は、道路交通法違反にあたる可能性があります。

道路の近くに自動販売機を設置するときは、以下のポイントが重要です。

  • 歩行者や車両の通行を妨げない位置に設置する
  • 交差点や信号機の近く、もしくは視界を遮る場所には設置を避ける

車道と歩道の境にガードレールがある場所に設置すると、歩行者や車両の通行を妨げる可能性があるため、注意が必要です。

歩行者や車両の通行を最優先に考え、道路交通法違反にあたらないように設置場所を選定しましょう。

近辺にスーパーやコンビニがある場所

近辺にスーパーやコンビニがある場所に自動販売機を設置することは可能ですが、ほとんど売り上げが期待できません

なぜなら、スーパーやコンビニの方が商品の種類が多く、安からです。

売り上げを増やすためには、以下の点に注意して自動販売機の設置場所を選定しましょう。

  • 半径100m以内にスーパーやコンビニがある場所は避ける
  • 周辺環境を調査し、できるだけ他の自動販売機(競合)が少ない場所に設置する
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まとめ

本記事では、「自動販売機の設置条件」をメインテーマに、「法律や規制の観点」や「メーカー別の条件」について詳しく解説してきました。

それでは、この記事の要点を振り返ってみましょう。

  • 自動販売機の設置には、道路交通法や地方自治体の条例など法律や規制に基づく条件を遵守する必要がある
  • お酒の自動販売機設置には、「一般酒類小売業免許」や「改良型機」など別の条件が適用される
  • 自動販売機メーカーと契約する場合には、それぞれ設置条件が異なるため、事前に確認が必要
  • 奥まったスペースや突き当たりや行き止まりの道など自動販売機の設置条件を満たさない(適さない)場所への設置は避ける

本記事が、自動販売機の設置場所を検討する際の道しるべとなれば幸いです。

本メディアや「スマリテ」について、ご不明な点があればお気軽にお問い合わせください。

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